FSC®森林認証について

私たちの森林組合で植林してきた木は、戦後を中心にヒノキ、スギの植林が行われました。
しかし、近年の木材価格は大きく下落し、子や孫のためにと植えられた木材は
次の世代に受け継いでいくことが困難な状況となりつつあります。
そのような状況の中、当組合においては市場価値の高い材(住宅資材用)は北ノ川山元貯木場、
間伐してもそのまま山に放置されるような端材や曲がり材は集成材工場で加工し、
製品として販売することで、森林資源を有効活用し、
経済的価値を高め森林を再生する努力を続けてまいりました。

そのような取り組みの中で、森林認証制度を知ることとなりました。
制度について認知していく中で森林認証制度「FSC」の目的とは
【1】森林環境を適切に保全し、
【2】地域の社会的な利益にかない
【3】経済的にも持続可能な
森林管理の推進であることを知り、四万十町森林組合が目指すべき森林管理と同じであり、
森林を再生し地域の森林資源に付加価値を付ける目的からFSCを取得することとなりました。
四万十町森林組合は「環境・社会・経済」の各側面に配慮した森林をつくり、
「持続可能な森林経営」を目指します。

1.FSC森林認証制度とは

(1)社会、経済、環境のいずれの観点から見ても持続的で模範的な森林管理がなされているかを、
   国際基準で審査のうえ、認証する制度です。
(2)すなわち、「健全な森をつくり、維持し、そこから安定的に収穫、収入をあげながら、
   地域社会に貢献する森づくり」が目的です。
(3)また、認証された森林から出材された木材には、FSCのロゴマークをつけることが許されます。
(4)消費者は、ロゴマーク付きの認証製品を優先的に選ぶことにより、
   模範的な森林管理を市場ベースで支援する仕組みと言えます。

2.コクヨグループと共に取り組む
  森林再生プロジェクト。

日本最後の清流と呼ばれる四万十川でも、
森林の荒廃に伴って近年環境の劣化が目立つようになり、
古くから日本にあった山村の暮らしの知恵・里山の文化が
失われつつある事に危機感を抱いていました。

そうした中、1997年より旧大正町森林組合とコクヨグループでは
間伐材を利用して商品の事業提携を始めました。
2006年、コクヨグループが創業百周年を迎えるにあたり、
紙から始まり、その資源を森林に大きく依存してきた歴史を踏まえ、
以前から着目してきた日本の森林荒廃問題への取り組みとして
森林再生につながる活動を進めてきたのです。

私たちも商品を通じて世の中に役立つだけでなく、
山村と都市を結ぶ資源循環で活性化を図ることができないか、
そこに企業ならではのノウハウを投入できないか?と考えていましたし、
そんな社会的責任のあり方を模索し、
ひとつの提言として社会に投げかけたいという強い思いがありました。

そして、双方のその思いを幾度となくぶつけ合い、
他力本願ではないまさに“協働”で取り組むという姿勢が
2006年4月に「結の森」を誕生させ、
美しく豊かな四万十の森と川を未来へ繫いでいくための
新しい挑戦が始まったのです。

3.認証林の推移

4.モニタリング調査

間伐の効果を「見える化」するため以下のモニタリング調査を行っています。
→モニタリング調査 【pdf】

(1)清流基準調査

四万十川条例第23条に「清流基準」に基づいて調査。
→四万十川清流基準調査手引書【pdf】
(四万十川条例に定められた10箇所のうち旧大正町2箇所)
https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030701/shimanto.html

■調査箇所

2.四万十川・大正流量観測所
7.檮原川・田野々大橋

■四万十高校 調査報告

→四万十高校 清流度調査結果【xls】

(2)植生調査

調査の目的は2つあり、
(1)森林の状態を判断すること
(2)間伐による林内の変化を見ることです。
調査は、手入れの頻度など条件が異なる4つの地点で
「風当たり」「日当たり」「土の湿り具合」「高木層・低木層・草本層」
について行いました。
抜粋)http://www.kokuyo.co.jp/csr/yui/monitoring/shokusei.html

■調査報告

→結の森植生調査まとめ【xls】

(3)立木成長量調査

間伐後の立木の成長量を調査することで今後の施業方針等に反映させる。

■調査報告

樹高、胸高直径、材積の変動

5.森林管理計画

→森林管理計画【pdf】