森と川を
守るしごと

−四万十ヒノキを育てる

四万十町の民有林面積は約40,000haであり、
国有林を含めると町土面積の87%を森林が占めています。
私たちは、若者の定住促進や自伐林家との共生もはかりながら
適切な育林と間伐を計画的に行うことで森の豊かさを守り、
四万十川の清らかな流れを育む使命感をもって
仕事に取り組んでいます。

四万十町内の
森林面積
民有林 37,555ha(60%)
公有林 2,575ha(86%)
国有林 15,490ha(90%)

※かっこ内は人工林比率

作業道
基幹路網 105,507m
森林作業道 1,192,617m

※資料元:2016年農林業センサス

苗から育て、一本ずつ植える。

苗木づくりと植栽

山づくりは、一本の苗からはじまります。
当組合の主力林産物である四万十ヒノキの苗木は
町内外に設けられた「苗畑」で1〜2年間育てています。
苗木がすくすくと育ち、いよいよ植栽の時期が近づくと、
山中の雑木や雑草を取り除く地拵えを行い、
苗木を一本一本人の手で植えていきます。
1ヘクタールあたり約3,000本の苗木を植え付けます。

健やかに育つことを願って。

下刈り・除伐

植栽した苗木を健やかに育てていくため、
雑草や雑木を刈り払い、そのまま肥料がわりにします。
木々が生育するまでの5年間を目安に
生育状況に応じて行っていきますが、
夏場の厳しい暑さの中で行われる大変な仕事です。
そして、様子を見ながら10年後に除伐を行います。

秋から冬、余計な枝を払い落とす。

枝打ち

植栽してから約7〜8年目。
小さかった苗木も、この頃には高さ5mほど、
幹の太さはビール瓶ほどにまで生長します。
この頃から定期的に行うのが枝打ちです。
これもまた大変な作業ですが、
目線の高さより下についた枝を根元から切り落とすことで、
将来「節」のない良質な材になるのです。

ローコストで災害に強く環境にもやさしい四万十方式の作業道。

作業道の開設

伐採・搬出・造林などの作業を行うために開設する作業道。
私たちは「四万十方式」とよばれる低コストで災害に強く、
メンテナンスの必要が少ない工法を採用しています。
根株や繊維質を多く含んだ表土を盛土として活用するので
速やかに植生が回復し、法面の土砂流出も防止できます。
一般的な作業路に比べ切土量は半分程度で済み、
自然回復もわずか数年しかかかりません。
また、コンクリートはほとんどの現場で一切使っていません。

豊かな森と川をつくるために。

間伐

隣り合う木々と競い合うように育ってきた森も、
木々の間が混み合ってくると生育が悪くなってしまいます。
適切な間伐を行うことで良質材の生育が促され、
林間には低層木が生え栄養に富んだ土壌も回復し、
生物がたくさんいるにぎやかな森になります。
また、魚が隠れる場所を埋めてしまう可能性のある
森から川への土砂流出を防止する効果もあります。
間伐は、山だけでなく四万十川の生態系を守るためにも
行っているのです。

効率的で安全な搬出へ。

搬出

間伐された材は高性能林業機械で作業路の近くへ集められ、
ハーベスタを用いてその場で長さを整えて
フォワーダーへ積み込みます。
良質材は北ノ川山元貯木場へ集められ、
端材や曲がり材などそのままでは価値のない材は
集成材工場へと集められます。